国民的ヒットセラー化粧品のドモホルンリンクルといえば、印象的なCMでも大変知られています。
他の化粧品にはない独特なナレーションや映像について、賛否両論がかなり分かれています。
時にはネットでプチ炎上したり、はたまたあざとくて不快、さらに商品がとてもいいのにもったいないと言った意見もあります。
ドモホルンリンクルのCMについて、興味深い話題について徹底的に探ってきました。
ドモホルンリンクルではテレビCMをたくさん放送している
ドモホルンリンクルはテレビCMのオンエアに大変力を入れてきましたが、そのおかげで知名度を築いてきました。
これまでにどんな内容のCMが放映されてきたのでしょうか。
過去のテレビCMは公式HPで公開されている
ドモホルンリンクルはテレビCMを積極的に流していますが、その本数や金額も国内ではトップ100に入っています。
2017年3月~2018年2月にかけて行われた日本の広告費調査によると、ドモホルンリンクルは66位で出稿金額は19.4億円です。
直近では2019年に8本、2018年に6本と、2~3か月に1本新しいCMを制作しているというペースになります。
公式サイトでは過去にオンエアされたCMの動画がアップされていて、そこから見ることができます。
リリース年月、挿入歌の情報も掲載され、バラエティーに富んだCMの数々が並んでいます。
ドモホルンリンクルCMの親子が不快?
ドモホルンリンクルのCMは他の化粧品のCMとは一線を画した、個性的な内容として有名です。
しかしそれゆえに批判的な感想を持つ人も多いという現状もあります。
その中でも、すべての年齢肌にをコンセプトに制作された、いっしょにドモホルンリンクル編についてはかなりの反響がありました。
『いっしょにドモホルンリンクル』篇
いっしょにドモホルンリンクルは2018年12月にオンエアされたシリーズで、母と娘ですべての年齢肌に使えることがテーマになっています。
登場人物は娘役に田中えみさん、母役に廣田恵子さんという2人の女優を登用しています。
ストーリーは、夜のお手入れをしようとした娘が、化粧品の減りがやけに早いことに気づくところから始まります。
なぜだろうと思っていたところへ振り返ると照れ笑う母の姿が、そこで犯人は母だったと知ります。
娘は特に怒ることもなく、そのまま母娘で仲良くドモホルンリンクルを使い合うシーンで終わります。
母が娘の化粧水を勝手に使っている!
このCMがオンエアされ始めた当初Twitterでは大きな反応がありました。
中でも目立ったのが娘の化粧品を勝手に使う母親に不快感を催すという内容でした。
母親が勝手に使う行為そのものが許せない、家族でもやってはいけないことがある、はたまたそれを許す心も経済的な余裕もないというものまでありました。
確かに、ドモホルンリンクルはフルセットで購入すると月33,000円と、決してお手軽な金額とは言えません。
また、娘が母のを使うという逆の設定ならばまだOKという意見で、大の大人が何をしているんだという怒りの声もありました。
会社としては、幅広い年齢で使えることを伝えたかったのでしょうが、それが思わぬ形で返ってきたということですね。
ネットの口コミでの評価は最悪!
ネットの口コミではどんなものがあったのか、実際の内容を紹介しましょう。
ドモホルンリンクルのCMで母が娘の化粧品勝手に使ってるの苦手、逆ならまだわかるけど母が娘の使うって感覚がいや。
もし私がドモホルンリンクルみたいな高い化粧水を勝手に使われたら確実にキレるし泣く、あんな優しく一緒に使おうなんて言わない。
あんなに高い化粧品を無断で使われて怒らないなんて、富裕層の設定と断言できる。
いずれの口コミもTwitterより取り上げましたが、共通して言えるのが投稿者の年代は20代くらいと比較的若い人に見られました。
また勝手に使われるのが嫌というのがキーワードで、家族であっても最低限の礼儀はあるという見方が意外と若い人の間では浸透しているようです。
さらに登場する母娘が美人な上に裕福な家庭という設定を想像している人も見受けられ、少々の嫉妬の感情も入り混じっているようにも見えますね。
ほのぼのするという口コミもある
いっしょにドモホルンリンクルシリーズは批判が多い反面、中には良い口コミも見られました。
お母さんの行動はちょっと許せない部分もあるけど、なんだかほのぼのしていてお茶目で可愛いところもあると思いました。
そもそもすべての人に受けるCMなんてないし、このCMは間違っているとは思わない。
いい年したお母さんが使ってみたいと思ってしまうくらい、興味を持ってしまう商品だと思う。
勝手に使うのが許せないという意見がある一方で、お母さんの行動がほほえましく、かわいらしく思う人もいました。
また、万人にウケるCMなんてないと言った意見や、商品の売り方について着目した冷静な意見もありました。
CM制作がいかに難しいか、またこれだけ多くの人にインパクトを与えるという点では、ある意味プロモーションとしては成功していると言えますね。
クレーム殺到!リストから消されたテレビCMとは?
ドモホルンリンクルはCMがインパクトが大きいゆえに、あまりのクレームの多さに消されたCMもあるくらいです。
それほどの反響を呼んだCMとはどんな内容だったのか、大変興味があります。
『お試しセットで試されるもの』篇
問題のCMはお試しセットで試されるもの編で、現在は公式サイトのリストからも消され、また該当の動画URLも削除されています。
その内容は、お試しセットの画像と共に、検品ではねられたお試しセットであるというナレーションが入ります。
はねられた理由として挙げているのがキズ、パッケージに付けられた微小なキズを映し出しています。
この中で伝えたかったことは、無料でお届けするものでも1つずつ全てを検品するほど、高品質なものを丁寧にお届けすることでした。
しかしそれが意外な方向に解釈されてしまいました。
その理由はもったいない、時代に逆行している、その分安くして売ればいいという内容です。
検品ではねられた不良品のコストはどこに?
ところで、検品ではねられてしまった不良品のコストは、いったいどこに行ってしまったのでしょうか。
そのカラクリを、会計処理の方法を解き明かしながら解説しましょう。
製造の過程や検品で出た不良品は損失として扱われますが、それにかかったコストは良品の製造費用に加算されます。
ドモホルンリンクルに限らず、こうした基礎化粧品は相当の量を生産します。
しかし生産されたものの全てが良品であることは不可能で、必ずいくらかの不良品があることがあらかじめ見込まれています。
もちろん生産や品質の管理体制を整え不良品を出さなくすれば良いのですが、そのために人件費や設備費が必要となると別のコストがより多くかかってしまいます。
こうして不良品にかかった製造費用を、十分出荷できる良品の製作費用の一部とした方が、結果的に低コストで高効率となるのです。
ネットの口コミでの評価は最悪!
ネットで実際に挙げられた、お試しセットで試されるものCMについての口コミを紹介しましょう。
大量消費の時代なんてとっくに終わっているのに廃棄するなんて時代錯誤もいいところだ。
パッケージにキズがあるくらいで中身には問題ないのに、この試供品はいったいどうなるの?会社のスタッフが使ってるならまだいいけど。
時代に逆行してるし、何よりもとてもいい商品なのにもったいない。安く売ればいいのに。
物を最後まで大切に使う日本人の気持ちが逆に裏目に思われてしまった残念なCMでありながら、商品の良さについては一定の評価を示しています。
再春館製薬はユーザーからの声を受けてこのCMをリストから削除してしまいましたが、生産工程の上では仕方がないことなのですね。
ドモホルンリンクルCMの内容があざとい?
さらに、ドモホルンリンクルのCMでよく言われるワードがあざといという表現です。
あざといというのは主にモテる女性に対して使われる嫉妬の言葉ですが、一体どの部分がそのように思わせるのでしょうか。
ネットで不評のドモホルンリンクルCM
ドモホルンリンクルのCMについてネットで調べると、検索ワードにうざい、嫌い、あざといなど良くない言葉が出てくることがあります。
一般的な化粧品のCMは人気女優を使い、流行の歌がBGMに流れ、成分や効果についてのキャッチフレーズがあります。
購買欲をそそられるような華やかさがあり、思わず買ってみたいと感じてしまいます。
しかしドモホルンリンクルはそれと比較するとかなり個性的です。
都用する女優やモデルはそれほど知名度が高いとは言えずまたは一般人、独特のナレーションがある、表現方法が遠回しなど大変特徴的です。
その独特なテイストについて、そのインパクトゆえに悪い評判も目立ってしまいます。
なぜか一般の女性たちから受け入れられにくいものに、CM特有の言葉の表現法があります。
どうやらその秘密は、分かりにくく婉曲的なフレーズに原因があるようです。
「何もしていません」ってどういう意味?
古いドモホルンリンクルのCMで、モデルの女性が私は何もしていませんと言っているものがありました。
2006年くらいにオンエアされ、公式サイトでは削除されていますが、そのCMは確かにありました。
モデル女性の肌はシミやシワが一つもない美白で、それゆえに突っ込まれたのが、何もしないでこんなに美しい肌が作れるわけがないということでした。
CM中の何もしていませんとは、ファンデーションやおしろいなどを一切使っていない、何も塗っていない肌ということです。
この表現方法に特有なのは、誰でも分かりやすい表現を使っていながら、反対に意味が分かりにくくなっている点にあります。
ところが一般の人が言うところの何もしていないとは極端な話、朝起きたばかりで洗顔もしていないのと同じ状態と解釈されてしまったのです。
「使えばわかる」という言い方がいやらしい
また、同じく古いCMにも、使えばわかる編というものがありました。
このCMもまた、批判を多く受けてしまったがために公式サイトから削除されてしまった、悪評高いCMです。
内容は人気女優の今村美乃さんを登用し、ドモホルンリンクルについてインタビューを受けるような作りです。
使うにしてもずっと先のことだと思っていたと述べた後で、でも違った、若いころと今の肌がもう違うことにとい言います。
使ってみると「そしたら、これがもーっ!」と感動、30代からの年齢化粧品というおなじみのナレーションが流れ、使ってみるもんですねーという感想で〆られます。
このCMへの口コミはとにかく、あざとい、ずるいのオンパレードでした。
その理由は2つ、演技のわざとらしさ、そして肝心の効能についての説明がないことです。
今村さんは一般人ではなく女優、プロが大げさなアクションで演技しているところに、わざとらしい不快感を感じる声が多数ありました。
また視聴者が最も気になる成分や効能について説明がなく、ただ感じたことだけを言っているのが、薬事法の規制を逃れようとしていて姑息なようにも取られました。
そのため、使えばわかるという言い方がずるいというように感じられてしまったのです。
ドモホルンリンクルCMについての良い評価もある
不評ばかりが目立つドモホルンリンクルのCMですが、良い評判があることも事実です。
ドモホルンリンクルのCMの特徴は、商品そのものの特徴をあえて一切語っていない点にあります。
主に語られるのは一見何も関係ない会社の理念について、しかしその手法がターゲットである30代女性の共感を呼びます。
こうした、なぜドモホルンリンクルを選ぶかの理由付けを喚起し、相手に喜んでもらうことを引き出します。
批判を受けそれにこたえながらもこの路線を続けているには、そのような理由もあります。
またCMは嫌いでも商品そのものについては良い評価がされている点も、実力はしっかりと認められているのですね。
まとめ
ドモホルンリンクルはCMが大変個性的ですが、それゆえに賛否両論がはっきり分かれたり、時にはSNSで炎上してしまったりします。
年間に8本程度のCMを制作し、国内の広告出稿ランキング100にも入るくらい、テレビCMについては大変力を入れています。
ドモホルンリンクルのCMは商品そのものの説明ではなく、あえて企業理念などを語りなぜドモホルンリンクルなのかを喚起させるのが特徴です。
しかしその手法が時には不評となりネット社会で拡散され、中には反響が大きすぎて動画削除されてしまったものもあるくらいでした。
その一方で商品に対しては一定の評価が認められているのも特徴的、これだけ多くの人が反応するというのはある意味人気の高さを物語っているのですね。